大勢のランナーが密集し、市街地の鋭いコーナーを駆け抜けるレース本番では、トラッキング性能の微細な誤差が一気に浮き彫りになります。Apple Watch UltraとApple Watch Series 12を同時に装着して走ったハーフマラソン(21.0975km)の実走テストにより、極めて興味深いハードウェアのトレードオフが判明しました。どちらか一方の完全勝利とはならず、GPSと心拍測定の双方で明確な強みが分かれたのです。
両モデルともにApple最高峰のスポーツ計測機能を誇りますが、実走下では異なる挙動を示しました。
クランクコーナーやランナーの追い越しが連続する過酷なコースでは、衛星測位の視線が常に遮られます。総走行距離に関してはUltraが21.42km、Series 12が21.45kmを記録し、インコースを外れて走った実走行距離を正確に反映していました。
しかし、GPSログの軌跡を拡大比較すると明確な差が現れます。
心拍センサー自体は最新世代の同一ユニットが使われていますが、走り始めのバイオメトリクス挙動には大きな違いが出ました。Series 12は号砲と同時に完璧な心拍数を捉え、フィニッシュまで1度の欠測もなく推移を記録しました。
一方、筐体が重く厚みのあるApple Watch Ultraは、スタート直後の腕振りの振動でわずかに浮きが生じ、watchOSが確信を持てず最初の13分間心拍表示がグレーアウト(非表示)になりました。
Explicit Trade-Off: Ultraを選ぶと重厚な筐体ゆえにレース序盤の心拍捕捉が遅れる可能性があり、Series 12を選ぶと過酷な都市部でのマルチバンドGPS測位精度を譲ることになります。